みなさんこんにちは!歯科医師の京嶌です。
今回は、インプラント手術の時に用いる「サージカルガイド」についてご説明いたします。
インプラントのサージカルガイドは、インプラント手術の精度と安全性を向上させるために使用される器具です。
通常、CTと呼ばれる3次元的なレントゲン検査で、インプラントする部位の骨の状態を診査して、インプラントを入れる位置を決めます。
このシミュレーション通りにインプラントを安全に骨に植え込むためにサージカルガイドを使用します。
サージカルガイドには、ドリルを通すための穴があり、これによりインプラントの埋入が計画通りに行うことができます。
サージカルガイドの利点
1. 高精度な手術:サージカルガイドを使用することで、インプラントの位置が事前に計画された正確な位置に埋入され、治療結果の予測性が高まります。
2. 手術時間の短縮:計画に基づいた手術がスムーズに進行するため、手術時間が短縮され、患者様の負担が軽減されます。
3. リスクの軽減:神経や血管などの重要な解剖学的構造を避けることが容易になり、合併症のリスクが減少します。
4. 患者の快適さ向上:手術時間の短縮や合併症のリスク軽減により、患者の不安やストレスが軽減されます。
サージカルガイドの欠点
開口量が必要:サージカルガイドは厚みがある分、より大きくお口を開けていただく必要があります。ですので、奥歯やお口が小さい方には適用できないこともあります。
サージカルガイド作製の手順
1.スキャン:患者の口腔内をデジタルスキャナーでスキャンし、3Dデータを取得します。CTのデータも使用されます。
2.計画:3Dデータを基に、インプラントの埋入位置、角度、深さを計画します。
3.ガイドのデザイン:計画に基づき、ガイドをデザインします。ドリルのガイド穴の位置などを決めます。
4.ガイドの作製:デザインが完成したら、3Dプリンターを使用してガイドを作製します。
5.適合確認:ガイドを患者の口腔内に適合させ、正確にフィットするか確認します。
まとめ
インプラントのサージカルガイドは、インプラント手術の精度と安全性を大幅に向上させるツールです。高精度な手術、手術時間の短縮、リスクの軽減、患者様の快適さ向上など、多くの利点があります。
デジタル技術を駆使して作製されるサージカルガイドは、インプラント治療の成功率を高めるために有効な手段となります。