こんにちは!歯学博士の黒坂です。
今日は、歯の着色が気になる方や、パウダークリーニングというものが気になっている方のために、歯のクリーニングについて詳しくお話します!
◯歯のクリーニングとは?
歯科受診をすると、「歯のクリーニングをしますね」と言われることが多いと思います。基本的に、歯周治療を行っている方は歯茎の上についている歯石(縁上歯石)や歯茎の中についている歯石(縁下歯石)を、器具を用いて除去していきます。歯周治療がひと段落し歯周状態が安定し、セルフケアもしっかりできるようになってくると、定期検診(メンテナンス)に移行していきます。
◯クリーニングには保険と自費があります
保険のクリーニングとは?
保険診療では、主に「歯石を除去すること」を目的に歯周治療を計画します。そのため、歯石除去と着色除去は分けて処置することになります。
通常(保険)のクリーニングでは、金属のチップを使って歯石を取り、研磨剤の入ったペーストを回転器具(ブラシ)を使用して除去していきます。このため、ブラシが届きにくい部分は綺麗になりません。また、金属のチップを使ったクリーニングを頻繁に行うと歯に微細な傷がついたり、回転器具を使った研磨でも歯の表面をこすりすぎているということが分かってきました。そのため、メンテナンス直後は綺麗になるのですが、何度も保険のクリーニングを行うことによって歯に微細な傷ができ、より着色がつきやすく、また取れにくくなってしまいます。
自費のクリーニングとは?
自費のクリーニングではパウダーを吹き付けながら着色等を除去していくのでパウダークリーニングとも言います。当院ではスイスEMS社のエアフローを使用しています。
空気と水と細かなパウダーを歯に吹き付けて、歯の表面をクリーニングしていきます。通常のクリーニングと違い、パウダーを吹き付けるだけなので、器具が届きにくい隙間にも水と空気の力で作用します。また、エアフローで使用するパウダーはわずか0.15mmで、器具が直接歯に触れないため、他の方法と比べ最も歯の表面に傷をつけないことが研究でも明らかになってきました。
また、金属のチップは被せ物(金属、セラミック、インプラント)の表面も傷つけるため、これらの表面には当てることができませんが、エアフローは歯に器具が当たらないため、天然歯は勿論のこと、全ての被せ物の表面を綺麗にすることができます。 矯正器具をつけた方もブラケット周囲を綺麗にすることができます!
パウダークリーニングでは、歯周病や虫歯の原因となる「バイオフィルム」や着色を一緒に除去することができます。パウダーで除去が困難な歯石のみ、選択的に超音波器具を用い、短時間で綺麗にすることが可能になります。
◯まとめ
保険の歯石取りは、痛い・時間がかかるから嫌いという方もいらっしゃるかもしれません。保険治療では、どうしても時間が限られてしまうため、何回かに分けて歯石や着色をとっていくことになります。しかし、パウダークリーニングだと、保険で使う器具では取るのが難しい着色も、痛みなく、そして何より歯を痛めることなく1回で綺麗に取ることができます!歯の汚れのつき方は個人差がありますが、もしも気になっている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください!