こんにちは!歯学博士の黒坂です。10月に入り、少し過ごしやすくなってきましたね!食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋!新型コロナウィルスの対策もしながら、この気候を有効に活用していきたいものですね♪
さて、今日は「ブリッジ」という補綴の種類についてお話していきます。
1)ブリッジとは?
ブリッジという言葉はみなさんも一度は耳にしたことがあるかと思います。抜歯により歯を完全に失った場合の治療として、両隣の歯を削ってかぶせる「ブリッジ」や、取り外しの「入れ歯」があります。その他、「インプラント」という人工の根っこを埋入して自分の歯のようにかぶせていく補綴方法もあります。「ブリッジ」は残っている自分の両隣の歯を支えとして使うので、両隣の歯が丈夫であることが条件です。そして、その位置も大切な要素になります。
2)ブリッジの本数について
基本的に抜歯により一本歯を失った場合、前後の歯と連結していくので3本分の被せとなります。しかし両隣の歯が揺れていたり、丈夫でなかった場合などは支えとなる土台の歯が増える場合もあります。また、欠損部分(歯がない部分)が2歯以上になると、支える歯(支台歯)の数も増えていきます。
きちんとかぶせられた物は、ほとんど元の自分の歯のように使えます。しかし、ブリッジは土台となる歯にかかる負担が課題となってきます 。欠損部位が多ければ多いほどリスクは高くなります。無理にかぶせてしまうと、土台となっている歯を早く痛めてしまうことになります。
一般的にブリッジは、土台となる歯の本数が多くなる程しっかりするのですが、土台となる歯の状態や歯周状態をしっかり見極める必要があります。ブリッジが選択できない場合は、入れ歯かインプラント治療になります。歯の位置にもよりますが、保険で治療できるのは連続で2本の欠損までです。
3)ブリッジのメリット(長所)
・自分の歯とほぼ同じ感覚で噛める。固定式なので、入れ歯と比較して違和感が少ない。インプラントと比較して、治療期間が短い。
・1~2本の欠損であれば保険で治療できる。
4)ブリッジのデメリット(短所)
・周囲の歯をたくさん削る必要がある。
・削った歯が虫歯や歯周病になる可能性が高くなる。
・両隣の支える歯に負担がかかる。
・清掃性が悪い。
このように、ブリッジには長所・短所があります。インプラントと比較して安価で短時間でできるから・・・という理由でブリッジを選ぶと、健康な歯を削って土台にしていくので、残っている歯の寿命が短くなっていきます。もちろんメンテナンスをしっかり受けていれば寿命を延ばすことも可能ですが、過酷な口腔内状況や、個々それぞれの噛み合わせ状態にも大きく影響をうけます。
大切な歯をできるだけ削らずに、長く使っていくことがお口の健康寿命にとってとても大切になります。当院では、歯を削る部分を必要最小限にとどめています。しかし、歯を削ることによるデメリットを軽減するために、インプラントをご提案することが多くなっています。インプラントは保険がきかないため高価であること、手術が必要であることからインプラントを避ける患者さん
がまだ多くいらっしゃいますが、周囲の歯に負担をかけずにすむインプラントという選択も1度考えていただけたらと思います!
治療方法にもたくさん選択肢がありますので、少しでも疑問やお悩みがありましたら、是非お気軽にご相談ください。それぞれの治療法によるメリット・デメリットを、ご自身のお口の中の状況に合わせて丁寧にご説明させていただき、しっかり納得していただいた上で治療を進めていくことがとても大切であると考えております。