こんにちは!歯学博士の黒坂です。
すっかり涼しくなり、過ごしやすい季節になりましたね!
今回は以前お話しした、根尖性歯周炎の検査法と具体的な治療法についてお話していきます!
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1,根尖性歯周炎の検査方法
根尖性歯周炎の検査方法としては、問診と歯の打診(コンコンと歯をたたいて検査します)、レントゲン撮影が一般的です。
問診では痛みの出かたや、どの様に症状が進行したかなどを確認します。その後、噛んで痛みが出る場合には打診をして確認し、比較として前後の歯も打診して違いがあるか確認します。またレントゲンを撮影すると炎症や膿を確認することができるので(レントゲンで根の先に黒い透過像が認められます)、根尖性歯周炎の疑いがある場合には撮影させていただきます。
2,根尖性歯周炎の治療法
根尖性歯周炎は、自然に治ることはないので、早めに歯科医院で適切な治療を受けることが大切です。腫れや痛みが強い場合にはまず抗生剤や痛み止めを服用して症状が落ち着いてから治療を開始します。
治療法としては、感染した根管をきれいにする治療なので、感染した歯質を除去していきます。根の治療をするときに、お口の端に金属をひっかけられた経験がある方も多いかと思います。治療中にピピピピとなっているのは、歯の根管長(根っこの先端までの長さ)を測定するための装置です。この機械に、ファイル(根の中の汚れを掻き出す針のようなもの)を付けて押し込んでいくと、ピピピピピという電子音が鳴り、「根の近くまできています」ということを教えてくれます。根の先を直接見ることはできないので、このような機械を使うことによって、根尖まで綺麗にでき、先端まで緊密な詰め物をすることが可能になります。
このような機械を使いながら、歯髄のあった部分を機械的に除去し、清掃していきます。しかし、根の中はとても複雑な形態をしているため、それだけでは綺麗になりません。そのため、薬剤を使用することによって、器具が到達するのが難しい細い根管の中も殺菌して無菌状態になるまで洗浄します。そして根の先の膿が完全に出るまで治療を行います。根の中の汚れがひどいと、無菌状態になるまでに時間がかかることが多いので早めの治療が大切です。
根管内がきれいな状態になったら、元々神経が通っていた部分が空洞になってしまっているので、神経に代わる充填材料(主にガッタパーチャーポイント)を詰めていきます。この充填材料は、化学的に安定しているため根管内で変性しません。
これで、根管治療はおしまいです。神経がなくなった歯は、弱くなっているので、さらに土台を立てて被せを作って一連の治療は終了です。
根管治療が終了ではなく、仮蓋のまま放置してしまうと隙間からまた細菌が入ってしまい虫歯になってしまう可能性があるので、土台を立てて最終的な被せが入るまでの通院がとても大切になってきます!!