根尖病巣とは??
こんにちは!歯学博士の黒坂です。
夏も終わりに近づいて来ましたが、
まだまだ暑さは続くので熱中症には
気をつけましょう!
それでは、今日は根尖病巣のお話をしていきます!
みなさん、歯科医院に行くと、「根の先に膿の袋ができているので根っこの治療をしましょう」と言われたり、耳にしたことがあるかと思います。
根っこの先(=根尖)にある、膿が溜まっている部分(=病巣)を「根尖病巣」といいます。虫歯がどんどん進行して神経も死んでしまい、その後も放置すると、根の先まで細菌が感染して炎症をおこし、それが原因で根の先に膿がたまり、徐々に骨が溶けていきます。このような状態を歯科では「根尖性歯周炎」といいます。虫歯の治療途中で長い期間、仮の詰め物のまま放置していても根尖性歯周炎になることもあります。また、神経の治療をした歯でも再度根尖病巣ができることがあります。
根尖性歯周炎による根尖病巣は、そのまま放置していても完治することはないので、歯科医院で早めの治療が大切です。
それでは、根尖病巣ができる原因となる根尖性歯周炎の症状について詳しくお話していきます。
1、根尖性歯周炎とは?
歯の中には神経(歯髄)が通っていますが、虫歯などが原因で神経に炎症を起こしていると『歯髄炎』の状態になります。歯髄炎では冷たいものや熱いものがしみますが、そのまま放置すると虫歯がどんどん進行して神経が死んでしまいます。神経
が死んだまま放置していると、それが感染源となり、根の先に炎症がお
きて『根尖性歯周炎』に移行していきます。
この状態では神経はほとんど死んでいることが多く、根管から細菌感染して根の先に炎症を起こすことが多いです。
2、根尖性歯周炎の原因
根尖性歯周炎の原因として考えられるのが、根管を通じて細菌が根の先の歯周組織に炎症を生じることによっておこります。炎症によって歯根を支えている歯槽骨が少しづつ溶け、膿の袋が大きくなっていきます。
この状態は神経まで達した虫歯を放置した場合や、歯の根の治療を途中で放置したままにすると歯の根の先に膿や細菌が溜って根尖性歯周炎になります。
そのため、虫歯はきちんと治療することが大切なことはもちろん、根の治療途中で長い期間放置すると状況が悪化し、治療に更に時間がかかることが多くなってしまいます。
3、根尖性歯周炎の症状
根尖性歯周炎にも進行度合いがあり、初期の段階では時に少し痛みが出る場合や歯が浮いた感じ、噛んだ時の違和感を感じて来院されるようになります。
症状が進行すると、内部に溜まってきた膿の出口がないために病巣の内圧が上昇し、お痛みがでてきます。その後、膿は出口を作ろうとして根の先端付近の歯茎がプクっと腫れてきます。そして歯茎に小さな穴ができて膿が出て行くため、内圧が下がり、お痛みがなくなっていきます。個人差があり、膿の出口ができるまで無症状の方もいらっしゃいます。
まとめ
虫歯になったら放置せず、早めの受診が大切です。
虫歯や根尖性歯周炎は進行すればするほど、治療に期間がかかり、費用も増えてしまいます。また虫歯が大きくなると歯を削る量が増えるたり、治療後の予後が悪くなることもあります。
その様な状況にならない様に、日頃から定期的の検診を受けることもおすすめしています。定期的にメインテナンスをすることで、汚れをしっかりと除去し、自宅でのケア方法も実践してもらえる歯磨き方法もお伝えしてお口の環境を整えることができます。
また、お口の中に不具合が起きても初期の段階で対処することができるので、回数や期間も短縮することができます。
根尖性歯周炎は虫歯を放置した場合や、治療途中の歯をそのままにすることで細菌感染する可能性が高くなります。一時的に痛みが落ち着いた場合でも、歯は自然に完治することはないので、早めに受診しましょう!!