皆さまは『高濃度フッ素歯磨き剤』をテレビやネットで耳にしたことがありますか?
高濃度ってどれくらいを意味するのかご存知でしょうか?
日本では、歯磨き剤に配合されるフッ素濃度が2017年3月から国際基準(ISO)に則ってフッ素濃度上限が1000ppmから1500ppmになりました。
それ以来各メーカーが上限に対応したフッ素濃度1450ppmの歯磨き剤を発売しており、これを高濃度フッ素配合歯磨き剤と表現しているんです。
(ちなみに、上限は1500ppmなのに実際の製品は1450ppmなのは規定より、1ppmでも多くフッ素を配合したら承認濃度をオーバーしてしまい、販売できなくなるためだそうです)
フッ素は、歯の表面の性質を変える働きをしますが、この働きは濃度に比例します。
だから、高濃度であれば、虫歯予防により効果的になります。
実際どれくらい変わるのかは、ケア方法や食週間、もともとの歯質など、様々なことに影響されるので、
明確にはわかりませんが、一部の研究結果や公的機関の発表をまとめます。
《フッ素上限が上がると効果はどう変わる?》
①虫歯が減る
アメリカのフロリダ州での研究では1000ppmと1500ppmの歯磨き剤を3年間使用して、虫歯のできた歯面数の比較では、21,8%も低減した
②根面虫歯が減った
根面虫歯(根面う触)とは、歯の根の部分に生じる虫歯のことです。
アメリカのアイオワ州の研究では1ppm未満と1100ppmの歯磨き剤を1年間使用して根面に生じた虫歯の本数の比較では、67%低減した
このように高濃度フッ素配合歯磨き剤は虫歯予防効果がデータからも見込めそうですね。
WHO(世界保健機構)からも「1000ppm以上のフッ素濃度では500ppm濃度が高くなることに虫歯予防効果が6%上昇する」と発表されています。
ホームケアでの虫歯予防の効果を知ってうまくとりいれていただければ嬉しいです。
中之島フェスティバルタワー筒井歯科
歯科衛生士 宇堂